未払い残業代請求
未払い残業代請求
労働基準法に違反していれば、未払いの残業代は払われなければなりません。労働条件通知書や、就業規則で定められていても、労働基準法の規定に満たない場合、これらは無効となります。みなし労働時間制をとられている場合でも、労働基準監督署に届けられた労使協定を越えていれば請求できる可能性があります。
残業代を会社に請求したい場合、請求できるのは原則として「直近の過去2年分」です。請求の権利は発生から2年間行われない場合、時効によって消滅してしまいます。(第115条)
- 雇用契約書
- 就業規則
- タイムカード
- 残業時間中の業務メール送受信履歴
- 残業時間中の業務指示履歴
- 交通機関の使用履歴
などです。多ければ多いほど立証がしやすくなります。
請求の方法(在職中)
民事調停、労働基準監督署、交渉→(決裂)→少額訴訟、労働審判→(決裂)→裁判
請求の方法(退職後)
交渉→(決裂)→少額訴訟、労働審判、労働基準監督署・民事調停→(決裂)→裁判
となっていきます。
- 「労働基準監督署への申告」は、証拠がきちんと揃っていれば匿名で調査し、使用者に対し賃金支払いの勧告をし、賃金が支払われる場合があります。
- 「労働審判」は、労働問題について詳しい裁判官、労働審判委員、会社の代表者、労働者の関係者が集まり、話し合いで相互納得できる妥協点を探る解決方法です。原則3回以内の日程で解決を探る方法です。
- 60万円以下の請求であれば、「少額訴訟」が可能です。原則1回の審理で直ちに判決が言い渡されます。ただし、証拠が不十分であったり準備不足であった場合、満足のいかない結果となってしまいます。
- 「裁判」は、調停や労働審判で解決できない場合通常の裁判で争うこととなります。1年以上の期間がかかることも少なくありませんが、特に悪質と判断された裁判では、残業代に加えて「付加金」という金銭の請求もできます。「付加金」は、請求する残業代と同一額になります。つまり、最大で2倍の金額を受け取れる可能性があります。ただし、この請求は違反のあった時から2年以内にしなければなりません。(第114条)