住宅取得資金贈与の特例
住宅取得資金の贈与
本年2019年10月より、消費税が10%に引き上げられるとされていますが、それに伴い飲食や新聞購読の「軽減税率の使用」、また、「住宅資金の贈与額」にも特例が受けられます。
<贈与税 暦年課税制度>
暦年課税方式の贈与税の計算は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引き、その残りの金額に税率を掛け計算します。贈与財産が土地や住宅の場合には、贈与を受けた時点の時価が課税価格になります。
贈与税額=基礎控除後の課税価格×適用税率−控除額
贈与税の税額速算表
(1)特別税率:直系尊属から20歳以上の人への贈与の場合の税率
基礎控除後の課税価格
(贈与を受けた財産の価額−110万円) |
税率 | 控除額 |
0~200万円以下 | 10% | ― |
200万円超 400万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円超 600万円以下 | 20% | 30万円 |
600万円超 1000万円以下 | 30% | 90万円 |
1000万円超 1500万円以下 | 40% | 190万円 |
1500万円超 3000万円以下 | 45% | 265万円 |
3000万円超 4500万円以下 | 50% | 415万円 |
4500万円超 | 55% | 640万 |
(2)一般税率:(1)以外の贈与財産にかかる税率
基礎控除後の課税価格
(贈与を受けた財産の価額−110万円) |
税率 | 控除額 |
0~200万円以下 | 10% | ― |
200万円超 300万円以下 | 15% | 10万円 |
300万円超 400万円以下 | 20% | 25万円 |
400万円超 600万円以下 | 30% | 65万円 |
600万円超 1000万円以下 | 40% | 125万円 |
1000万円超 1500万円以下 | 45% | 175万円 |
1500万円超 3000万円以下 | 50% | 250万円 |
3000万円超 | 55% | 400万円 |
<贈与税 相続時精算課税制度>
原則60歳以上の直系尊属から20歳以上の子・孫に贈与した場合選択できる制度で、累計2.500万円まで何度でも非課税となります。ただし、贈与者の相続が発生したとき、相続税に贈与時の時価を加算して相続税額を計算します。
また、一旦この制度を選択すると暦年課税制度へ変更はできません。
<<直系尊属から住宅取得等資金の贈与時の非課税制度>>
直系尊属である父・母や祖父母などが住宅取得資金などを子や孫などに贈与する場合一定金額が非課税となります。
住宅取得等資金の贈与を受けた場合、110万円の基礎控除に加えてこの制度が使えるほか、相続時精算課税制度においても併せて利用することができます。
非課税額は、資金の受贈者が新築もしくは取得する住宅用家屋受贈年により異なります。
<要件>
- 受贈者が20歳以上であること
- 受贈者の合計所得金額が2.000万円以下であること
- 受贈者の国内の新築・既存住宅家屋の取得、所有家屋の増改築に充てる資金であること
- 受贈者は贈与を受けた年の翌年3月15日までに家屋の取得、増改築、移住をすること
消費税8%の場合
A: 良質な住宅用家屋(省エネ、耐震、免震、バリアフリー等(各等級指定あり)の場合
住宅取得等の契約締結日 | 平成28年1月~平成32年3月 | 平成32年4月~平成33年3月 | 平成33年4月~平成33年12月 |
非課税枠 | 1,200万円 | 1,000万円 | 800万円 |
B: A以外の住宅用家屋の場合
住宅取得等の契約締結日 | 平成28年1月~平成32年3月 | 平成32年4月~平成33年3月 | 平成33年4月~平成33年12月 |
非課税枠 | 700万円 | 500万円 | 300万円 |
消費税10%である場合
住宅取得等の契約締結日 | 平成31年4月~平成32年3月 | 平成32年4月~平成33年3月 | 平成33年4月~平成33年12月 |
上記Aの非課税枠 | 3,000万円 | 1,500万円 | 1,200万円 |
上記Bの非課税枠 | 2,500万円 | 1,000万円 | 700万円 |
<増改築の要件>
- 増改築工事費用が100万円以上であること
- 増改築後の家屋の床面積が50㎡以上でかつ、床面積の2分の1以上が自己居住用であること
なお、住宅の新築に先行し取得する土地も適用対象となります。