相続 vol.3
こんにちは。寒さが一段と増して年末の慌ただしさが見え隠れしてきましたね。
今回は、「相続開始後に発生する賃料や利息の遺産分割はどうするの?」です。
A, 死亡した夫の遺産の中に、第三者に賃貸している不動産があります。遺産分割協議が成立するまでの賃料収入1000万円は誰のものになるのでしょうか。相続人としては、私(妻)と子供2人です。
Q,平成17年の最高裁において、相続開始から遺産分割確定までの不動産賃料は、「遺産とは別の財産と考えるべきであり、各相続人はその賃料を、法定相続分に応じて取得するのが相当」と判決が出されています。
したがって、1000万円の賃料を妻であるあなたが預かり金として所持しているなら、2人のお子さんに対し、法定相続割合の各4分の1である各500万円を分割までの賃料の清算金として支払うべきことになります。これは、民法第898条及び第899条の共同相続の効力によるものです。
ただし、遺産分割とは別に、相続人全員による合意があった場合はこれによりません。
また、相続人が法定相続分で賃料収入や利息収入を取得し、相続人の一人がこれを独占管理している時などには、その相続人に対して不当利得返還請求をしていくことになります。
日本経済新聞(2015.12.9)にて、税理士の元を訪れる相続の依頼者の記事が掲載された。こちらで、
「頼れる税理士を探すには・・・注意したいのは相続税に精通した税理士でないと申告が円滑に進まない恐れがある。相続税の申告を年1回やるかどうかという税理士は少なくない。(略)もっとも相続関連で争いが起きると税理士は処理できない。遺産分割協議でもめ、家庭裁判所で調停、審判となると、当事者の代理人となれるのは弁護士だけなので注意しよう」
と掲載されている。