リバースモーゲージ の活用と留意点(シニア世代を安全に暮らすために)
リバースモーゲージの活用と留意点
リバースモーゲージとは、自宅を根抵当権をつけた担保にして必要な資金を金融機関から1千万から2億円程度の融資を受けたり、またはその都度借り入れ、最終的に死亡時に自宅を遺族が売却することにより元金と借入利息を返済する仕組みです。受けた融資は、住宅ローンの借換、自宅のリフォーム資金や高齢者施設への入居一時金に充てることが可能です。
一方で、売却せずにリバースモーゲージで持ち家を賃貸に出し家賃で返済する仕組みをとる金融機関もあります。
融資後 利用者が死亡すると、相続人が物件を売却するなどして残債務を一括返済します。その際、物件が値下がりしていて売却しても債務が残る場合は、残債務を相続人が返済しなければならない「リコース型」と、相続人に残債務の返済義務が生じない「ノンリコース型」があり、金融機関により取り扱いが異なリます。
また、セールアンドリースバックといった仕組みが用いられることがありますが、こちらは、自宅を不動産会社に売却すると同時に不動産会社から賃借して住み続ける仕組みです。これは、一般的に住宅ローン返済に窮している場合や生活資金に窮している場合など利用されており、賃料が支払い困難となるまでは住み続けることができ将来余裕が出た時に買い戻すことが可能です。
<<リバースモーゲージ利用の注意点>>
①長生きのリスク
契約期間が終身期間でない場合、契約期間を超えて債務者(利用者)が長生きすると、抵当権実行により家を失うリスクと融資がストップすることにより生活費がなくなるリスクに直面します。
②不動産市場低迷のリスク
契約期間中に不動産市場が低迷した時、自宅の評価が下がるリスクです。下落に伴い、融資額が減少したり停止する場合があります。
③金利上昇のリスク
金利は変動型が一般的なので、利用中に金利が上昇するリスクにより返済額が増加します。利息を月々返済するタイプは負担が増し、また月々の返済のないタイプでも利息分は融資元金額に加算されます。
④相続人が債務を負うリスク
前述のように利用者の死亡時に物件を売却しても融資額を完済できない場合、残債務を相続人が引き継ぐリスクがあります。
利用中に担保評価額が下がり融資額を完済出来ない場合、その他の資金での返済や相続人が手元資金での一括返済を求められる事もあります。
⑤相続人による同意されないリスク
上記の事からも、リコース型の場合は相続人に債務が及ぶ可能性がありますので、リバースモーゲージの利用に反対するリスクがあります。金融機関によってはすべての推定相続人に同意書の提出を求める場合もあります。
その他、民間事業者で「年金受取型リバースモーゲージ」とうたわれているものの中には、不動産の売買契約形態でとり行い、契約後すぐに所有権が事業者へ移転してしまうということもあります。長期契約とした場合、途中で事業者が倒産したり連絡が取れなくなるといったことも起こりえます。そうなった場合、年金は支払われず家も失うという事態に陥ります。