「経済的利益」の意味

「経済的利益」の意味

経済的利益という言葉は、わかりにくいという面があります。

弁護士報酬を適正・公平に算定するため、当事務所をはじめ多くの法律事務所は、依頼者様が依頼によって獲得する「経済的利益」を基礎として弁護士報酬を定めます。

「経済的利益」とは、金銭の獲得など通常の用語通りの意味ととらえて基本的に問題はありません。例えば、100万円を請求する訴えの経済的利益は100万円と考えられ、そこから弁護士報酬を算定します。

ただ、経済的利益を単純に金銭に評価することが難しい場合もあります。これに対応して、当事務所は経済的利益の内容を詳細・具体的に定めています。

また、弁護士報酬が分かりにくいというお客様の声を受けて、当事務所は経済的利益や弁護士報酬について、ご契約の前に丁寧な説明をいたします。さらに、お客様のご依頼がある場合や、当事務所が必要と判断した場合には、詳細な見積書をお渡しします。

ですから、経済的利益の意味についてあまりご心配されなくても大丈夫といえます。

参考として、経済的利益の定めを記載します。

算定可能な場合の算定基準

  1.  金銭債権 債権総額(利息及び遅延損害金を含む)
  2.  将来の債権 債権総額から中間利息を控除した額
  3.  継続的給付債権 債権総額の10分の7の額。ただし、期間不定のものは、7年分の額
  4.  賃料増減額請求事件 増減額分の7年分の額
  5.  所有権 対象たる物の時価相当額
  6.  占有権・地上権・永小作権・賃借権及び使用借権 対象たる物の時価の2分の1の額。ただし、権利の時価がその時価を超えるときは、権利の時価相当額
  7.  建物についての所有権に関する事件 建物の時価相当額に敷地の時価の3分の1の額を加算した額
    建物についての占有権・賃借権及び使用借権に関する事件 上記「ヘ」にその敷地の時価の3分の1の額を加算した額
  8.  地役権 承役地の時価の2分の1の額
  9.  担保権 被担保債権額。ただし、担保物の時価が債権額に達しないときは、担保物の時価相当額
  10.  不動産についての所有権・地上権・永小作権・地役権・賃借権及び担保権等の登記手続請求事件 ホ、へ、チ及びリに準じた額
  11.  詐害行為取消請求事件 取消請求債権額。ただし、取り消される法律行為の目的の価額が債権額に達しないときは、法律行為の目的の価額
  12.  共有物分割請求事件 対象となる持分の時価の3分の1の額。
    ただし、分割の対象となる財産の範囲又は持分に争いがある部分については、対象となる財産の範囲又は持分の額
  13.  遺産分割請求事件 対象となる相続分の時価相当額。ただし、分割の対象となる財産の範囲又は相続分についての争いのない部分については、相続分の時価の3分の1の額
  14.  遺留分減殺請求事件 対象となる遺留分の時価相当額
  15.  金銭債権についての民事執行事件 請求債権額。ただし、執行対象物件の時価が債権額に達しないときは、執行対象物件の時価相当額(担保権設定、仮差押等の負担があるときは、その負担を斟酌した時価相当額)

算定不能な場合の算定基準

800万円とする。ただし、事件等の難易・軽重・手数の繁簡及び依頼者の受ける利益等を考慮して増減額することができる。
経済的利益の額と紛争の実態又は依頼者の受ける額とに齟齬があるときは増減額しなければならない。